告白されたようなものなのに、一番大切なところをちゃんと言ってくれない奏多がもどかしくてたまらない。
だけど、あとちょっとで奏多とゼロ距離になれるこの位置が、奏多の気持ちが分かるこの感覚が心地よかった。
「俺の気持ち、気付いてんなら妬かせないでよ。」
奏多にめちゃくちゃ優しい甘い顔でそう言われて、あたしがときめかないとでも思っているのだろうか?
「奏多は、過保護なんだよ。」
まあ、そうさせたのはあたしなんだけどね。
「結衣がこんなに可愛かったら、過保護にもなるでしょ。」
当たり前のことのようにそう言う奏多。今のはちょっと不意打ちじゃないですか?
「って、なんで結衣が赤くなってんの。」
「だって、奏多に可愛いって言われたから。」
普段言われ慣れているはずの言葉も、好きな人に言われれば特別に変わるんだね。
「顔に出さないようにしてたのにーー勘弁してよ。」
困ったように、でも嬉しそうに笑う奏多に無駄にキュンキュンしてしまった。

