「麻紘くんと仲良いの?」
って、あの早瀬が遊ぶくらいだから相当仲良しだよね。
「麻紘、小6までこっち住んでて高1で再会、みたいな。めちゃくちゃ信用してる。」
麻紘くんは、中学へ上がると共に引っ越してきたって、あの子が言ってたなぁ。
「麻紘、優しいし良い奴だよ。」
…知ってるよ。
あたしが女子にハブかれて教科書無くなったときも、貸してくれたし。あの子にあたしは関係ないって言ってくれた。
たくさん謝られたし、ブレスのことだって後から知ったとき一番自分を責めていた。
「麻紘くんは、優しいよね。」
でも、その優しさがつらかった。いっそのこと、麻紘くんに八つ当たりできたら、どんなに楽だったんだろう。
「麻紘、中3の時に彼女の親友を好きになって、それがきっかけで好きな子がハブかれたらしくてーーあの子に申し訳ないから、もう恋はしないって言ってたけど、」
「斎藤が気になるって聞いて、安心した。」
柔らかい早瀬の表情。
中3、彼女の親友、ハブ。きっと、いや絶対あたしだ。
麻紘くんは、ずっと悩んでいたんだ。

