瑠奈ちゃんは私をじっと見つめた。

私より、瞬君より、背が高い瑠奈ちゃん。

見下されるとちょっと迫力がある。

「すみません、わからないです。」

そっか。

私の気のせいなのかな。

でも、何か悩んでるみたいに思えるんだよね。

「ありがとう。引き留めちゃってごめんね。」

やっぱり瞬君に直接聞くのが一番いいのかもしれない。

あれ、私、なんでこんなに瞬君のことが気にかかるんだろう。

初めての後輩だからなのかな。

でもいつもみたいに本当に元気な瞬君でいて欲しいって思うから。


「明後日から夏休みだなー。」

こうちゃんが歩きながら言う。

「バスケ部も毎日練習でしょ?」

「まあな、吹奏も合宿とかあるんでしょ?」

私は頷く。

「夏休み入ったら、家が向かいでもあんまり会えなくなっちゃうね。」

お互い部活で忙しいから、逆に学校があって一緒に帰れることが少なくなる。

「…そっちは休み、いつ?」