「あ、問題やらなきゃ!」


誤魔化す雫ちゃんを
俺は真っ直ぐ見つめた。


「答えてくれよ。
もしも、そのケガあの人にやられたんだったら俺、許せねえ!」


「………秀にやられたとしたらどうするって言うの?」


やっぱりやられたんだ。


なのに何で助けてって言わないの?


「女にてをあげるって
最低じゃねえか。
俺がぶん殴る!!」


「やめてよ…」


「え?」


「やめて。
秀は悪くないよ。」


「わけわかんねーから。
ケガしてんだぞ!!
何で庇うんだよ。
何で助けてって言わねーの!?
俺が生徒だから?ガキだから?」


頭に血が登っていた。


今にも泣き出しそうなのに泣かない雫ちゃん。


一番辛いのは雫ちゃんなのに、あの男を庇うことも…


なにもできない自分にも…


ムカツク…


わけわかんねー。



「麗夜くん…ごめんね。
これは私の問題だから。
私が全て原因だから。」


「どいつもこいつも
意味がわかんね。」



どうしょうもなくて、
俺は部屋を出て家を出た。