「葵、あったかい」 「あまりくっつかないでよ」 「無理。いい匂いするから」 「……」 いちいち、ドキッとする言葉を吐いて、あたしの気をおかしくさせたいのだろうか……。 いくらなんでも、鼓動が早くなっていく。 けど…… 確かに感じる。 背中に伝わる鼓動……。 「瑛太。 心臓早すぎ」 ドクンドクンと、あたしよりも早く高鳴る心臓は 間違いなく瑛太のものだ。