腹黒王子に囚われて

 
「あ、あー……」


自分が煙草を吸っている姿を、他人に見られたことがマズかったのか、なんとも気まずそうな顔をしている彼。


けど……



正直、興味がない。



目が合っていたものの、そのまま逸らすと
あたしは何も言わずに彼の前を通り過ぎようとした。


……が、



「待って」



それを彼が制した。

去ろうとしたあたしの腕を掴んで。