「下見てないで何か言えよ!!」

「カフェオレ、返して」

「はぁ?」

「まだ開けたばっかなんだけど」

「アンタねぇっ……」


ダメ元で言ってみたけど、やっぱり彼女がカフェオレを返してくれる気配はない。

はぁ…
100円損した。

今度はあからさまにため息。

それがまた、彼女たちの怒りに火をつける。



「なにその顔はっ……。
 ちょっと美人だからって、調子に乗ってるの?」

「乗ってるつもりない」

「乗ってんじゃん!
 瑛太くんと付き合ったりなんかしてさっ」

「それは向こうが付き合え、って言ったから付き合っただけ」

「はあ!?」



嘘は言ってない。

だけどついに彼女の怒りが頂点に達したみたいで、彼女の手が振り上がり
あたしの頬にはじいた。