あたしは、あまり人と騒ぐのが苦手。

それと、どうも冷めていると周りに言われることが多い。


自分ではそういうつもりはないんだけど、どうしても共感できないところは受け流しちゃうし、
人を見た目で寄ってくるような男とかには、まったく魅力を感じない。


だけど



別に恋愛に興味がないわけじゃ、ない。



「ってかさー、新條くんって彼女いるのかなー?」
「さあ」


美咲の頭は、すでに新條瑛太のことになっていて、
再びその姿が見える窓辺へと目線を映している。


「やっぱいるよね。あんだけカッコいいんだもん。
 頭も良くて、性格も優しくて……
 あんな漫画に出てくるような完璧な人がいるなんて思わなかったよ」


美咲と同じように窓辺へと目線を移すと、
そこには女子に囲まれている新條瑛太の姿あって……



「……」



質問攻めにあう女子に、ただひたすら笑顔で答える彼の姿があった。
 


「……うそくさ」



あたしには、その笑顔があの人とかぶって……

好きにはなれなかった。