腹黒王子に囚われて

 
「相変わらず、反応薄いな……」
「あたしにそんな反応を求めないで」


普通の女の子なら、ここで悲しそうな顔をするのかもしれない。


けど、
べつに……。

だって……



「どうせ、家に来るんでしょ?」

「あ、分かった?」



一緒に帰れない日は、瑛太が家に来るのは目に見えてる。

だから悲しい表情とか、いちいちしてられない。



「葵」



瑛太は腕を引っ張ると、そっと耳元に顔を寄せた。