周りからはもう黄色い声が上がっていて、
必死に抵抗してるのに、瑛太の腕がそれを許さない。


舌までは入ってこなかったけど
押し付けてくる唇は強くて、
頭も腕で押さえられていて引きはがすことはできない。


ようやく離された時には
恥ずかしさで顔が沸騰しそうだ。




「葵、可愛い」

「……」




だけど瑛太は、涼しそうな顔でそんな言葉まで吐く。


ふつふつと怒りが湧いてきて
キッと瑛太を睨みあげる。



「何?」

「この腹黒」

「なんとでも」



にっこりとほほ笑むその顔は
確かに「王子」という言葉が似合う。


けど、頭の中は
腹黒のエロ王子だ。