「ま、俺の場合、お前に飽きてあの時捨てたんじゃなくて、
 お前なら数年後のほうがもっと楽しめるって思ったから手放しただけ。

 もう十分すぎるほど成長したから、取り戻しに来たの」



まるであたしは、完全に拓先輩の所有物だ。


あたしはあたし。
拓先輩のモノなんかじゃない。


なのにどうして……

こんなにも体が震えているんだろう……。



「今度また、
 みんなの前で告白してやるから。

 迎えに来たってな。


 それまでにちゃーんと新條くんの本性、見抜いておけよ」



それだけ言うと、拓先輩は去って行った。