「だからさ…
葵と初めて会話をしたときは、すげぇショックだった。
俺に興味がない、とか言ってさ……。
必死に築き上げてきたプライドが、一瞬にして崩された気分だったよ」
「……ごめん」
「でも、それと同時に、今まで必死に守ってきた自分という存在が、バカらしく思えてきた。
誰の言葉にも揺らがない、人の目なんか気にしない葵を見て……
純粋にカッコいいって思ったし。
それに……楽しかったから。
どんな言葉を言ってもなびかない葵と会話するの……。
素の俺を見せても、引かずに真っ直ぐと返してくれる言葉が……」
素直に伝えてくれる瑛太の顔をじっと見上げていると
瑛太はその顔をゆるめる。
