長いキスのあと
瑛太はあたしを見つめた。


頭の中で、
今言われた瑛太の言葉がリピートする。



(葵……。


 好き)



今まで、好きと言われたことは何度もあった。


(好きです!)
(好きなんだ……)
(飯田さんのことが好きで……)


だけど誰から好きと言われても
あたしの心に響くものなんてなくて、


あたしの答えは冷めた瞳で返すこと。


でも……



瑛太から言われたその言葉は

なぜか無性に、心に響いた。