もって生まれた容姿のおかげで
何もしなくてもある程度の人間は俺に好意を寄せた。


だけどそれだけだと、
上辺しかないだの、調子に乗ってるだの。
あることないこと押し付けて、俺に因縁をふっかけてくる奴もいて……


俺は完璧であることを心がけた。



完璧にすべてをこなして
だけど嫌味のないように笑顔をふりまいて


誰からも…
男も女関係なく…


「新條くんってカッコいいよね」
「新條くんみたいな人、大好き」
「瑛太!今度遊びに行こうぜ」


俺は慕われる人生を築き上げた。





だけどやっぱり俺も人間で
完璧をつとめるのはすごく疲れる。


日に日に、自分の中でストレスが溜まっていって
なんとなく……吸い出した煙草。

一日に2,3本、たしなむ程度。


それを吸ってるときだけは、
優等生の自分を吐き捨てる気分になれて、気分がよかった。



あの日までは……。