思い出のカケラ



結局、電話することは出来なかった。


こんな独りよがりな理由で、電話しなかった事を、今更後悔する。


あの時、電話していたらハルくんの“最期”に一緒にいられたかもしれないのに



「もう、ハルくんなんて知らないっ。」

それだけ言って、私はその場から離れた。

次々と溢れ出る涙も、気にせずに私はただ、猛スピードで自転車を漕ぎ、家へ帰った。