一階の図書室。 人の居ないそこへ着くと立ち止まる池田君に私も立ち止まった。 いつも遠くから見ていた池田君が近くに居る。 私の名前を知っていると思うと胸がドキドキした。 葵よりも少し背が低い。 葵よりも顔が柔らかい。 葵よりも髪の毛が明るい。 そんな池田君。 「突然ごめんね? 広田さん。いつもバスケ部見に来てたよね? それって誰見てたのかな……?」 「えっ?」 「ってごめん。 広田さんが見てたのが俺だったらいいなって…… 俺、広田さんが好きなんだ」