紗理奈の言葉が離れなくて、 私は教室に戻っても上の空だった。 クラスメートは疎らに散っていく。 コートを着てマフラーに手を掛けた時…… 「ちょっと!愛唯!呼んでる!!」 グイッと肩を引かれる。 引いた相手を見れば、酷く焦った顔の優香だった。 何だろうと思いながら優香の指す教室入り口を見れば……… 「……………………え? 池田君…………?」