セドリクが窓辺のプランターでエーデルワイス・パピヨンを育てている。
矮性の姫エーデルワイスだ。
株が拡がるが、花茎は短くまたたくさん花をつける。まさに蝶々のようなエーデルワイスだ。

あれからどれだけの月日が流れたであろうか?

あれから……あれからというが、本当に人生は波乱万丈で、玉手箱のような人生だったから。

年が開けて春になると鈴蘭とミニ薔薇とエーデルワイス・パピヨンの寄せ植えたプランターは花満開になるだろう。

人生とはまさにこのプランターのようなもの。

季節ごとに趣を変え、花開き、繰り返す。

平和な世の中の妖精の物語。

さなぎから蝶になる。
人生も魂も復活もそのようなもの。

マクシミリアンの心の傷はもう癒えていた。
誰のお陰であろうか。傍らには……。