――三浦翔吾。

 まさか、とは思ってたけど。
 あの時の人?

 昨日の手紙からして、時期も丁度あの事件があった頃と推測していいだろう。
 何より――、

 あの子の面影がある。

 確かに身長なんかはすごい伸びて、顔立ちは大人っぽくなっている。けれど、整った顔立ちがあの子の雰囲気を残していた。

「三浦翔吾です。同じ初瀬市内の初瀬高から来ました。たぶん、僕と会ったことがある人もいるかと思います」

 そう言って、三浦くんは私と目を合わせた。
 思わず、目を逸らす。
 その反応に三浦くんは一瞬悲しげな表情を浮かべた気がしたけれど、すぐにまた微笑を浮かべた。

「良く分からないこともありますが、よろしくお願いします」

 そう言って三浦くんが頭を下げると、女子からは黄色い声が、男子からはがっかりしたような声が上がる。
 おなじみの反応だ。

 それから、担任は三浦くんの座る席を指定し、結果志乃の隣に座ることになった。
 きっと、志乃は今日女子から非難の対象になるだろう。

 志乃、ご愁傷様です。