翌日。
 私はものすごく憂鬱な気分になりながらも、母親に急かされて自宅を出た。

 今日が、休日だったらよかったのに。
 しかも今日に限って週二で入れてるバイトがある。
 昨日、告白なんかしなきゃよかった。
 でも今更後悔したって何も変わらない。
 ため息混じりに、遅刻ギリギリで席に座った。

「結衣!」

 親友の坂上志乃が心配そうに私の席へ寄ってくる。
「だ、大丈夫? 昨日のメール……結構やばそうだったけど……」
「大丈夫大丈夫。ごめんね、心配かけて」
 できるだけ笑顔を作りながら言う。
 けど、志乃は鋭いからこんな嘘見抜いちゃうんだろうな。
「そう……? 無理しないでね。昔から一人で抱え込むのは結衣の悪い癖だから」
「う、うん」
 ほら。
 あまり深くは突っ込まないけれど、私の嘘はバレてる。でも、その優しさにいつも私は救われてるんだ。

「ほら、HR始めるぞ。席着けー」

 そこで担任が教室に入ってくる。
 散り散りになっていた生徒は全員、席に着いた。

「今日は、転校生がいる。入ってきなさい、三浦くん」

 ……はい?