相手は男−−…
そう分かってるのに、
考えさせてくれることすらさせない、濃厚なキス……
こんなん、女ともしたことねえよ。
段々、くらっときてしまうような、お酒を飲んでいるような気になってくる。
ありえねえ。
お前なんで、峻何でお前……
ぷはっと糸を引きながら僕たちの唇は離れていく。
……キスうめえな、あいつ。
危うく、持っていかれそうだったぜくそ。
「ごめんな、お前気付かなそうだからした。
別れてまた、誰かにとられる前に言っておきたかった」
「………なっ」
感傷に慕っていた僕に峻は
そう真剣な目で理由を話す。
「馬鹿野郎」