夕暮れになり、昼間より人も車も多くなった繁華街。


途切れることの無い騒音と、目を瞑りたくなるをどの眩しいネオンの光。

昼間とは違う雰囲気の通りを相変わらずフラフラとした足どりで歩く。



今、何時だろう...


そんなどうでもいい事を考えながら、ゲームセンターの前を通り過ぎようとした時だった。




「ちょっと君、いいかな?」


誰かにいきなり左肩を摑まれ、振り返る。


そこには二人組みの派手な髪をした男が立っていた。



なんだこの人達・・。

ナンパか・・?



「ちょっと~、そんな睨まないでよ」

無意識に男を睨んでいた私に金髪の男が気持ちの悪い笑みを浮かべて言う。



なんだこの人。気持ち悪いんですけど。

ていうか金髪似合ってないし。

‟彼″の方が百倍かっこいいし。


心の中で悪態をついていると、今度は赤髪の男が話し掛けてきた。


「君、北条美香ちゃんだよね?」



なんで私の名前知ってるの・・?

この人達本当に何・・?



「や~っと見つけたよ、北条美香ちゃんっ♪」


「誰なんですか・・?あなた達・・」


私の質問を無視して赤髪の男がニヤリと笑う・・。



怖い・・。


握り締めた手が小刻みに震える・・。



「君にはちょっと付き合ってもらうからさ・・」



赤髪の男がそう言った瞬間、目の前が真っ暗になる・・。


そして、


「うっ・・」



腹部に感じた激しい痛みと共に私の意識は途絶えた・・。