そうこうしてお土産と駅弁を購入し、改札を潜る。ホームには雪が降り込んでいてとっても寒かった。

でもこの雪も帰ったらもう見れないのかと思うと、少し名残惜しい。


時間通りにホームへ滑り込んできた電車に乗り込み。お弁当を食べたり、お喋りしたりして、帰りの電車も貴一さんと一緒だからとても楽しかった。

到着したのは17時を少し過ぎた頃。
こちらは雪が降っていない。




「ねぇ貴一さん、本当にママに電話するの?」

「もちろん」

「えー……」


駅を出て適当なお店に入って休憩していると、貴一さんがママにお詫びの電話を入れようと言い出した。

そんな貴一さんに私は思わず不満の声を上げてしまう。
女子高生をお泊まりや食事に誘ったりセクハラしたりするくせに、貴一さんはこういう所は何故か真面目だ。



「ほら、奈々ちゃん電話貸して」

「えぇー……」

ほらほらと手を出す貴一さんに私は更に不満の声が漏れる。だって、ママに電話なんて止して欲しい。

そうは思っていても狡い大人な貴一さんに私が口で逆らえるはずもなくて。渋々スマホを取り出してママに電話を掛ける。



「もしもし、ママ?」

『あら、どうしたの?まさかキイチさんの家にもう一泊?ママは全然オッケーよ!』

「ちょっ!違うからっ」

電話の向こうのママの恥ずかしい言葉に思わず顔が赤くなる。こんなテンションのママと貴一さんをお話させるなんて、恥ずかしさと緊張で死ねる。


「あのね、貴一さんがね……、うん、あたしを風邪引かせちゃたこと、親御さんに謝りたいって言ってて……」

ぼそぼそとそんな風にママに事情を伝える。

『わかった。側に居るんでしょう?電話代わって』

「……うん」

言われて、はいっと貴一さんにスマホを渡す。受け取った貴一さんは特に緊張した様子もなくて。


「もしもし、お電話代わりました。はじめまして古川貴一と申します……」


なんて、ママに挨拶を始めてたわけで。
私はいたたまれなくなって、お手洗いに行くと言って席を立った。


(あぁぁぁ、もう恥ずかしい)