あっという間に座っていたソファに押し倒されて組み敷かれてしまったわけで。
怒らないって言ったのに、貴一さんの現状は激おこぷん。


貴一さんは私を押し倒すと、怖いくらいの笑顔でにこりと私を見下ろした。




「……で?春休みは那由多のいるニューヨークに行くんだ?」

「はい……、そうです……そうなんです……」

そしてソファの上に組み敷かれながら私は貴一さんの質問に従順に答える。



「何日?」

「往復の時間も含めると、10日くらい……」


「……許すと思ってるの?」


そう言って、にこりと微笑む貴一さん。
顔は笑っているけれど、口調は明らかに怒っているもので……。



「……おっ、怒らないって言ったじゃん!」

「大人ってのはね、嘘つきな生き物なんだよ。奈々ちゃんいい勉強になったねぇ」

「ひぃっ……やっ!あんっ、おっぱい揉まないでっ!!」



お仕置きとばかりに貴一さんからはセクハラ。

与えられる刺激が強過ぎて頭がくらっとしちゃう。悔しいけど、貴一さんの手が怖いくらいに気持ちいいから……。



「……いつの間に那由多とそんな仲になってんの?ていうか、そういえば奈々ちゃんも那由多を家に泊めてたことあったよね……」

「いつの間にって……、バレンタインにきーちさんに捨てられた後だよ……っ、」


そう答えると貴一さんは悔しそうにむっと顔をむくれさせた。



「貴一さんが心配に思うようなことないし大丈夫だよ……、ちょっと英語の勉強しに行くだけだし」

「ちょっとなんて軽いレベルじゃないでしょ。心配もするよ……今時の子の感覚はおじさんには理解出来ない……」


そう言って貴一さんはむくれた顔のまま、私に覆いかぶさるようにしてぎゅーっと抱きついてきた。

そんな貴一さんの背中をぽんぽんと叩いて返す。


(心配、してくれてるんだよね……)

そう実感すると体の奥がむずむずくすぐったい。