キスシリーズ~不器用キス~短編



そっと伸びてくる春ちゃんの手にドキドキと煩く鳴る心臓。


春ちゃんの手が頬に触れた。


あれ?てっきり抱きしめられると思ったのに…。


ギュッと閉じていた目を開けて
「春ちゃん?」

と名前を呼んで見上げれば、ほんのり頬を赤くした春ちゃん。


小さく溜め息をついて私の頭を撫でてくる春ちゃんに、私を抱きしめるのが嫌になったのかなと思ってしまう。


そう思うとどうしても春ちゃんを見ることができなくて、俯いてしまう。


「優、俺、抱きしめるよりもキスがしたい」


そう声がして、もう一度見上げればじっと私を見つめる春ちゃん。


…え?
もしかして、さっきほんのり頬が赤かったのってそれを考えてたから…とか?


てゆーか、今キスって言ったよね?
言ったよね!?


「駄目か?」

そう、首を傾げる春ちゃんが可愛くて、私は駄目じゃないと反射的に答えていた。


どうしよう…。
恥ずかしい…。

今絶対顔赤いよね?
もしかしたら耳まで赤いかも…。


「優」


名前を呼ばれて顔をあげれば、春ちゃんはふっと笑った。


「顔真っ赤、可愛い」


そう言うと私の頬に手を当てた。



か、可愛いとか!!


言われなれてない言葉に顔が熱くなる。


でも春ちゃんの手が冷たくて気持ちがいい。


「優、気持ちよさそうなのはいいけど、目瞑って」


「は、はい!」


言われた通りに私は目を瞑る。


春ちゃんが近づいてくるのが気配でわかって、そのまま唇と唇が重なった。