「ーーーーんで、ここが音楽室。こんくらいかな」

簡単にアタシが案内を済ませると、御影はありがと~と感謝の言葉を発した。

そして、

「暁さん優しいね」

と言い、微笑んだ御影に不覚にもドキッとしてしまった。

何故だ。何故こいつにドキッとしなきゃいけないんだ。

「暁さん?大丈夫?顔…赤いけど…」

「え!?あ、大丈夫…」

そんなことを考えてるうちに自らの顔を赤らめていたようだ。

何故こんなに御影のことを考えるとドキドキするんだろう…。

アタシにはまだそれがわからない。

……と、“恋”という文字が頭に浮かび、アタシはブンブンと横に頭を振った。

「そんな訳ない…そんな訳ないんだぁぁ!」

その様子に御影は驚いたらしく大丈夫?と連呼しあたふたしていた。