「うん。おもしろい。昔は嫌いだったけど」

早織は知らない男の子にそう答えて

また漫画を読みすすめる。

「樹生だれに用事なんだ?」

隣席の男の子、藤村はそう声をかけた。

樹生と呼ばれるその男の子は私の前に座って

だるそうに答えた

「藤ちゃんが漫画の続きもってこいって

言ったんでしょー」

少しむくれたようにいう樹生

どうやら勝手に読んでたこの漫画は

この樹生という男の子のものらしい