「…ハァ、ハァ。」 「………。」 志織は……泣きそうな顔をしていた。 …あーあ、ついうっかり性悪な性格が出ちまった。 時すでに遅し。 後悔あとに立たず。 そんな言葉が頭の中で、グルグルと渦巻いている。 数秒経つと志織は両手で顔を覆い、すすり泣きながら座り込んだ。 俺はそんな様子をただただ呆然と眺め、立ちすくんでいた。