「エミリっ、ちょっと待てっ‼」 俺は恥ずかしいやらなんやらだし、誤解を解きたくてアイツを呼んだ。 が、しかし。 「翔毅?」 背筋が凍るくらいの、冷たい声が背後からした。 ゆっくりと振り返る。 志織は、まさに鬼の形相だった。 「ねぇ、なんで神崎先輩を追いかけるの? ねぇ、私の事好きじゃないの? ねぇ、神崎先輩を好きなの? だから神崎先輩を追いかけるの?ねぇ、答えてよ? ねぇ、翔毅っ!?」 「うるせぇよっ‼‼」