by滝




俺は昔からモテモテだった。


自分で言うのもアレだけど…


父さん似のかっこいい顔

母さん似の明るい性格


親2人のいいところをもらって、まぁ、他と変わらないが、幸せな家庭だった。


中学に入ってからは、女子の先輩からも呼び出される日々。

周りは陸兄ちゃんと比べてるし、
告白も絶えない日々。

だけど、そんな学校でも、我慢して来たのは、こいつのおかげだと思う…




そいつとは、俺の幼馴染。

東上柚 とうじょう ゆず

顔は誰もが認めるほどの可愛さ。
あと、小さくて小動物みたいな幼馴染。

だけど、人一倍言いたいことはズバズバ言ってくる。



「また告白ですか〜?いいですね〜。滝はモテモテの生活で。」

「お前も十分モテモテだろ?」

「えぇ。そーですよー。でもさ、皆外見ばっかり…ほら、私こんな性格だからさ、相手が気づつかないように断るのとか出来ないからさ。

だから、告白は苦手…」




昔から気づいてた。

俺は柚に惚れてるって。

だけど、言い出すのが怖かった。

好きって気づくのが遅かった。

友達と幼馴染という壁が邪魔をして…


俺の友達からもモテモテ。
男子は影で柚姫って呼ぶくらいだ。




「ねぇねぇ。聞いてよ」

「ん?」

「私達ね、近畿大会行けそーなんだ。あと、1勝すれば。」

柚はテニス部。昔から運動神経が良いから、テニス部の先輩から期待されてる。


「やべーな!頑張れよ!」

「うん!絶対近畿大会行く!野球は?」

「陸先輩がピッチャーになってから、勝ちっ放し!とりあえず、近畿大会は決定だけど…」

「やっぱり凄いなー。私達も負けられない!」


「東上ー。」

「え?」

「あのさー。明日の部活な、」

「うん。」



柚に喋りかけて来たのは、テニス部のエース。

木内光 きのうち こう
爽やかで人気はそれ程無いが、優しい。


「うん。じゃ、部活でね。」

「おう。滝もバイバイ」

「おう。」

光とは、クラスが違うから、そんなに中は良くない。



「じゃ、私も行くね。」

「おう、」

光と柚は同じクラスで俺とは違う。
だから、最近は部活も違うし全く喋れてない。





でも、ある日…