あれは、11年も前こと。 私が5歳の時の話。 私には、もう1人同い年で幼なじみの男の子がいた。 私達はお隣同士で毎日幼稚園から帰ってくるとどちらかの家で必ずといっていいほど遊んでいた。 もちろん親同士も仲が良かった。 ある日、それはいつもと同じ朝の日のことだった。 朝は廉くんと一緒にバスに乗って幼稚園に向かった。 幼稚園の中でもいつもと変わらず楽しくみんなでワイワイ遊んでいた。 ただ、今考えてみれば一つだけ違うことがあった。 それは何をしていても元気のない廉くんだ。