嫌いじゃないよ。 本当は大好きだよ。 今言ってたのは、全部嘘。 全部、ぜーんぶ、嘘なんだよ。 そう思いながら、あたしは走り出した。 が、廉君によってすぐに阻止された。 「やだっ。離して!嫌だ!」 「じゃあそのまま動かないで 俺の話を聞いて。」 「嫌。」 ぎゅっ。 一瞬なにが起きているのかわからなかった。 あっ、廉君に抱きしめられてるんだ。 なぜか、廉君の胸板の奥から聞こえてくる心臓のどくどくという音がとても心地よかった。