年下はキライですか?【完】


佐野さんのことは気になるが、別れて梨花ちゃんが待つ個室へ向かう。


あー長くなった言い訳は素直に“混んでた”でいいか。

さっきは佐野さんに女の子じゃないなんて言ったけど、そんな事を気にする俺も男らしくねーのかな?



戻る途中、2人組の男とすれ違った。


彼らの会話に、佐野さんの名前があったので立ち止まる。


俺は無意識に彼らの話を盗み聞きしてしまっていた。



「佐野あゆみだっけ?あれはねーよな!」


「ないない、ハッキリいってオバサンじゃん」


「でもお前、ちょっと話してたじゃん」


「誰も話しかけてやんねーから可哀相だと思ったんだよ。そしたらどんな音楽好きか聞いたらよ、わけわっかんねーバラク―ダ―だか何クーダーだかって歌手の名前言いやがってさ、話盛り上がんねーっつーの」


「ははっ!30でも美里ちゃんは可愛いけど、…佐野あゆみはないな」



その後も、そいつらは誰がいいだの、誰を持ち帰るだのくだんねー話を散々俺に聞かれてるとも知らずにほざいていた。