「え?」
「佐野さんの教え方はわかりやすいですよ。丁寧ですし。桐島さんが覚え悪いんじゃないですか?」
………カッチ――――――――――――――――ン。
「ああー、そうかもしれんね。…でもさ、佐野さんは自分の仕事だけでイッパイイッパイの時あるっしょ?だから俺も速水君に教えられることあれば教えるから」
「いい!桐島くんに頼らなくたって大丈夫だもん!それに速水くんの事は私が頼まれたわけだし!」
やべ。
ムキにならせちまった。
これじゃあ逆効果やん。
「速水くん、いいから続きやるよ」
佐野さんは速水の袖をくいっと引っ張って、前を向き直った。
その行為にもイラっとしてしまう。



