桐島くんは少し考えてから頷いた。
「んじゃ見張っててくださぃょ!?」
よっぽど限界だったのか、最後の『よ』の瞬間で女子トイレに駆け込んでいった。
幸い、女子トイレにはしばらく誰も入ってこなくて。
私は手洗い場で桐島くんが出てくるのを待っていた。
「はぁーーーーーーーースッキリした。マジで助かった…」
ふにゃっとした、なんとも幸せそうな顔で彼が出てくる。
可愛すぎて胸キュンではないか。
でも私はそれを一切顔には出さない。
「良かったね」
「佐野さんに感謝だなー」
満面の笑みで微笑まれると、さらにドキドキする。
おさまれおさまれおさまれ心の臓!
はぁ。さっきの七三の時とは大違い。
やっぱり桐島くんが好きなんだと再認識させられた。
「ところで桐島くんは彼女と?」
「あ、はい。てか長かったからウンコと間違わられてたらどーしよ!」



