キッと佐々木さんを睨み返すと、彼女は若干怯む。



「さっきからグチグチなんなのよ!カンニングなんてしてないし、信じられなかったら監視カメラでも付けとけば!?
あと、母子家庭の子でなにが悪いの!私よりも勉強が出来ないのはあなた自身のせい!僻んでるんじゃないよ!母子家庭舐めんな!」





一気に息継ぎも忘れるほど話し続ける。



もう一回佐々木さんを睨むと、いつの間にか群がっていた野次馬を掻き分けてずんずん歩いた。




(あ、佐々木さんって、)



さっきの場所から離れて、今思い出したけど、前に佐々木さんの噂を聞いたことがあった。


佐々木さんの家は代々医者家系で佐々木さんも勿論医者になる。
だからこの県内で1、2を争う程の頭の良いこの学校に進学して来たということを聞いた。

しかも彼女はかなりの見栄っ張りかつ、何でも1位でないと気が済まない質。



だから今までずっと2位だったことに腹を立てているのだ。


さっきの佐々木さんの体調の悪さはきっと勉強のし過ぎて体調を崩してしまったのだろう。




それにしたって酷い。


私バカにするのはまだしも、家をバカにするのはやめてほしい。


くそう、全国の母子家庭の皆様に謝れバカヤロー!