「ん、もう大丈夫。」
少しして、あたしは翔太から離れた。
って、あたし何してんの!!
男の、ましてや翔太の胸で泣くなんて!!
いくら怖かったとはいえ、不覚だ...
「お前、ほんとに大丈夫か?あいつは警察呼んだから心配はいらねぇけど、今日夜とかいけるのか?」
たしかに思い出すかもしれないけど...
「うん。大丈夫。ありがとう翔太。翔太がいなかったら大変だったよ。」
へへっと笑うとまた抱きしめられる。
「もぅ分かったから。笑うな。それに大変どころじゃねぇだろ。」
「うん...」
それから警察が田中を連行し、翔太はあたしを家まで送り届けてくれた。
おふろに入って、触られたところを何度も何度も洗った。感触が消えるように。
