私は、近くに置いて
あったカミソリに
手を伸ばした。
そして、カミソリを
手首にそっと当てた。
ギリギリギリ・・・
メリメリメリ・・・
血が傷口から溢れ出る。
私は、血を見て思った。
生きてるんだね、
私は生きてるんだね。
ごめんなさい・・・
頭の中が狂ったように
真っ白になった。

その時、ケータイが
鳴った。
♪~♪~♪
私は、画面を見て背筋が
凍るのを味わった。
『レイ』
と、表示されている。
「キャアァァァァア!!!
もう、やめてッ~~~!!!」
私は、この時自分というものが
分からなくなっていた。

私の頭の中にある言葉は
ただ一つ。

・・・これ以上私の大切なもの
盗らないでください・・・