帰り道に通る公園の前...

いつもは何気無く、通り過ぎていたけれど...今日は少し休憩してから行こう...

一番手前にある、ベンチに茉莉愛は座った。

...星が綺麗...
...受験嫌だー!って叫びたい...
...はぁ...

しばらく、茉莉愛は夜空を眺めながら、受験のこと...将来のこと...健太郎のこと...色々なことを考えていた...

高校3年と言えば、誰しもが悩み考える年頃だ。
将来の不安、自分の方向性、異性への想い...



そこへ


「真っ直ぐ帰らなかったんですか?」

健太郎だ。

「えっ?先生、どうしてここへ?」

「もう仕事が終わって、帰り道です。ずっとここに?」

ふと、時計を見ると20時を過ぎていた。

「私、1時間もここに居たのかぁ...」

「悩み事?受験のこと?」

「まぁ...」

「珍しいね。僕も茉莉愛さんの年頃の時は悩み事は沢山ありましたよ」

「えっ?先生も?見えない」
そう言って微笑んだ。