「こんにちはー!今日もよろしくお願いしまーす!」
グローバル治療院に毎週火曜日、茉莉愛は通い続けていた。

茉莉愛の元気な声に、健太郎はニコニコ応えた。まるで、妹のように...

「先生?先生って何歳ですか?」

またしても、茉莉愛の突拍子もない質問に健太郎は苦笑いした。
「僕ですか?いくつに見えます?」
答えながらも、健太郎の整体を行う手と身体の動きを捉える目は施術台のベッドに横たわる茉莉愛の身体から離れることは無かった。整体に取り組む時の健太郎の顔は真剣だ。

「んー?25歳くらい?」
対する施術を受けている茉莉愛は呑気だ。

「25歳かぁー!じゃぁ、そういう事で」

「えー!違います?教えくださいよー?」

「あはは。茉莉愛さんはいくつになりました?」

「私?高3だから18歳です!」

「18かぁー!若くていい時ですね」
健太郎は至って落ち着いた好青年だ。

「で、先生はー?」

「茉莉愛さんの10歳年上ですよ」

「へー!28歳!?」

「おじさんでしょ」
健太郎が笑いながら言うと、茉莉愛はムキになって「そんなことない!」と言うのを健太郎は微笑ましく思った。