20xx年、12月24日 午後5時45分。
世間はクリスマスシーズンに浮かれていて、もちろん、17歳の私達も、例外であるはずがなかった。
私、与田美和(ヨダミワ)と彼氏の佐渡涼介(サワタリリョウスケ)は、Xmasデートの真っ最中…、
地元で一番大きなクリスマスツリーの下で、クレープを食べている。
「美和、クリーム付いてる。」
涼介は、そう言って、私のほっぺたに付いたクリームを拭いてくれた。
「あ、ありがと…」
付き合って半年が経つけれど、涼介のこんな甘い仕草には、まだ慣れない。
「そうだ、涼介、今度…「美和っ!危ないっ!!!!…『バーンッ!!!!』
私は、涼介の腕に抱かれたまま、ベンチの下へと倒れた。
ドンッ!!
「痛ったあぁ…、涼介、大丈夫?どうし…!!?? 涼介!?」
私の体を覆ったまま動かない涼介。
涼介の体を見ると、私を庇って、倒れてきたクリスマスツリーの下敷きになっている。
涼介の頭から、大量の血が流れていたのを見た直後から、私の記憶は飛んだ。