蒼夏の刹那

あの場所にたどり着くと、蒼い空を見上げる速水くんがいた。



何を考え思っているのかわからないけど、何となく過去、これまでの事を振り返っている――そんな気がする。



「……ちゃんと会えたみたいで、よかった」

「おお、ありがとな」



速水くんと蒼のやり取りを見ていたら、自然と笑みが零れた。



あの頃もふたりは、こんな風によく笑って話していた。



懐かしいな。



もし蒼が生きていたら、こんな光景がずっと続いていたんだろうと思うと、寂しい気持ちにもなるけど。



速水くんと目が合う。



私はドキッとし、思わず視線を外せば蒼が軽く速水くんの肩を叩く。



「おれ、向こうにおるから。終わったら呼んでや」

「……ありがと」



蒼が横を通り過ぎる時、小さい声でこう言った。






“大丈夫や”