蒼夏の刹那

あの坂道に着くまでずっとそんな話をしながら歩いた。



いつもと変わらない光景。



いつもと変わらない日常なのに、ただ変わってしまったのは自分の周りだけ。



「……蒼」

「ん?」

「……これからはちゃんと生きていくね、蒼がもう、心配しないように」

「心配はしてへんよ。だって、渚がおるやろ」

「……そうだね」



蒼の言葉に微笑む。



謝って許されるとも思わないし、許されたいとも思わない。



それでも構わない。






もう一度あなたと向き合えるのなら。