蒼夏の刹那

うっすら目を開ければ、真っ白な天井が目に入る。



ここはどこだろう、とぼんやり思っていると優しげな声がした。



「あら目が覚めたのね。ここは病院よ」

「病院……?」

「ええ。彼がね、救急車を呼んだみたい。すごく取り乱して大変だった、って聞いたわ。余程あなたの事が心配だったのね」



看護師のお姉さんにそう言われて、横を見れば――さっき道で会った人が、手を繋いだまま寝ている。



どうして……と信じられない顔で見つめていると、お姉さんは様子を見に来ただけらしく、いつの間にかいなくなっていた。



「…………もう、いいよ」



一筋の涙が頬を伝う。