蒼夏の刹那

道行く人の中で通り過ぎた時、見知った人を見たような気がした――でも、今はそんな事どうでもよくて――だから、気づかなかった。



――ずっと、気づけなかった。



これを知るのはもう少し先の話。



ひとつだけ言えるのなら、いくら後悔したって過去は償えないという事。



償えないから、私が何かを言う資格はない……だから、この物語が終わったら、滑稽だと笑ってほしい。



今はただ、蒼だけが生きる原動力だった。