蒼夏の刹那

お土産屋さんに入ると、私となぎくんの瞳がきらきら輝く。



イルカやペンギンのぬいぐるみ。



ポストカード、タオル、コップ、お菓子――挙げたらきりがないけど、とにかく海の動物たちの物に囲まれて至福だ。



「うわあ……限定の黒まぐろさんぬいぐるみとタオルだ……!」

「イルカのぬいぐるみ絶対買って帰りたいな」



お土産屋を出る頃には、荷物で両手がいっぱいになった。



「ちょっと買いすぎちゃったね」

「藍花、それ貸して」

「え」

「オレが持つから」

「でも……悪いよ」



私が戸惑っていると、なぎくんが笑う。



「いいから貸して、重いでしょ」

「ありがとうなぎくん」



人気のほとんどない館内を、なぎくんと少し離れて歩く。



今日、改めて気づいてしまった。



なぎくんの存在の大きさに。



……このまま、伝えなかったら私はまた――後悔してしまう。






だから、蒼――少しだけ勇気を分けてね。