「藍花お待たせって……どうしたの?大丈夫?」

「う」



顔を覗き込まれ、私はますますうろたえてしまう。



そんな私の予想は的中し、女の子たちがくすくす笑っている。



「男の子はカッコイイけど、相手の子普通だね」

「そんな事言ったらかわいそうだよ」



……私、なぎくんと釣り合ってないんだ……



その時、なぎくんが私をかばうように前に出る。



「ねぇ、オレの大事な子に何言ってくれてんの?この子の悪口言うなら、オレが許さないよ」



なぎくん……



怖い顔をしたなぎくんから逃げるように、女の子たちは立ち去った。



「藍花に嫌な思いさせて、ごめん」

「……ううん。ありがとうなぎくん」



無意識に、なぎくんの服の裾をぎゅっと掴む。



「藍花は誰よりもかわいいよ。オレは、藍花が一番だから」

「……ありがとう」



嬉しくなっちゃうのは……なぎくんだからだ。



繋いだ手は優しくて、歩くペースも私に合わせてくれる。