蒼夏の刹那

蒼の家は学校から少し離れた場所にあって、庭に花がたくさんあった。



「アサガオ、ヒマワリ、キンギョソウ、ニチニチソウ、クレマチス……」

「よう知っとるやん。母さんがなあ、花好きでしょっちゅう園芸ショップで花の苗やら買うてくるんや。加減せい言うたら、父さんの小遣い減らすからええやん言うて、父さん泣かしたし」

「楽しいお母さんだね」

「騒がしいだけやて」



蒼も花みたいに笑う。



通された家の中には、花が飾られた花瓶やドライフラワー、花の雑貨、花に関するものがいっぱいある。



蒼が桜を好きな理由に、お母さんの影響もあるかもしれない。



「ここがおれの部屋や」



案内された部屋は、日当たりのいい整理整頓がきちんとされたシンプルな部屋。