「ありがとうございました~」
店員の大きな声に見送られコンビニを出た。
私は啓之さん達に出す、お茶菓子を手にブラブラと揺らしながら歩き出す
しばらく歩いていると見覚えのある姿が見え思わず足を止めた。
え...
「ゆ...裕人?」
あまりの出来事に声が震えてしまう
裕人とは地元が違うはずなのに...
裕人は声に気付いたのか後ろを振り返る
「あ...いた。...家にいないから、結衣を探してたんだ」
なんで私を?と思ったと同時に口が動いていた。
「どういう意味?...裕人、何でここにいるの」
嫌な予感がしたんだ...
まさかとは思うけど、
「もう分かってると思うけど、俺が白石啓之の息子。」
予感が的中した。
裕人が...私のお兄ちゃんになる人?
心臓がドキドキと鳴ってうるさい
「そーだったんだ...、裕人...何で言ってくれなかったの?」
私はゆっくりと裕人に近づきながら言った。
私の問いに裕人は考えている。
裕人が口を開く頃には私は目の前まで来ていた
「俺が言わなくても、そのうち知ることだったし...それに結衣が知るまでは、普通の友達でいたかったから....かな?」
『友達でいたかった』かぁ...
それじゃ何も言えないよ。
だって私が裕人だったら同じ事してたと思うし...
それに裕人の気持ちも分かる気がしたから。
「そっかぁ...なら仕方がないよね。...じゃあ行こっか!」
私と裕人は並んで家に向かって歩き出した。
