結衣がまだ小学校一年生の時に両親が離婚して結衣はおばさんについて行ったけど、母親一人で娘を育てるのは大変な事でおばさんは仕事を頑張っていた。
でも...頑張りすぎて肝心のまだ幼い結衣をいつも放っていたから、結衣は家で一人寂しい想いをしていたのを俺は知っている。
その時の俺が出来ることは結衣を笑顔にしてあげることだった。
俺自身そんな結衣の笑顔に励まされた事は何度もあった。
「・・・結衣。何かあったのか?....話なら聞くよ」
おばさんの事だと分かっていたから俺は出来るだけ優しい声で言った。
今までの結衣なら真っ先に俺に話してくれたのに、この日は違った。
「うん...あったよ。...けど、春にぃには関係ないと思うから。」
考えもしていなかった事を言われて自分の耳を疑った。
現実だと分かった時には結衣への色んな想いが口から出そうになった。
